あなたはLGBTについて何を知っていますか？LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった言葉で、性的マイノリティの一部を表します。性的マイノリティとは、自分の性的指向や性自認が社会的に多数派とされるものと異なる人々のことです。
LGBTの人々は、世界中でさまざまな差別や偏見に直面しています。日本でも、LGBTの人々は学校や職場、家庭や社会で理解や受容を得られないことが多く、悩みや苦しみを抱えています。LGBTの人々は、自分らしく生きることができるように、法律や制度によって権利を守られる必要があります。
しかし、日本はG7（主要7カ国）の中で唯一、同性婚やシビル・ユニオンなどの制度がなく、LGBTに関する差別禁止規定も持たない国です1。これは、日本が国際的にも遅れていることを示しています。では、日本ではLGBTの権利を守るためにどんな法律があるのでしょうか？また、私たちはどうすればLGBTの権利を支援できるのでしょうか？
日本におけるLGBTの権利を守る法律
日本におけるLGBTの権利を守る法律は、まだ十分ではありませんが、少しずつ進展しています。ここでは、最近成立した法律や施行された条例などを紹介します。
性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律
2023年6月に成立・施行されたこの法律は、性的指向やジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する基本理念や目的を定めたものです2。この法律では、以下のようなことが述べられています。
- 性的指向及びジェンダーアイデンティティは個人固有のものであり、尊重されるべきである。
- 性的指向及びジェンダーアイデンティティに基づく差別や偏見は許されない。
- 性的指向及びジェンダーアイデンティティに関する正しい知識や情報を提供することが重要である。
- 性的指向及びジェンダーアイデンティティに関する相談や支援を行うことが必要である。
- 国や地方公共団体は性的指向及びジェンダーアイデンティティに関する施策を推進する責任がある。
この法律は、LGBTの人々が抱える課題やニーズに対して具体的な対策を示すものではありませんが、国がLGBTの権利を認める姿勢を示したことは、大きな一歩と言えます。この法律に基づき、国や地方公共団体は、LGBTの人々の生活や福祉に関する施策を総合的かつ効果的に推進するために、「性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進連絡会議」を設置しました3。
同性パートナーシップ条例
日本では、同性カップルは法律上の配偶者として認められていません。そのため、同性カップルは、相続や医療判断などで不利益を受けることがあります。また、同性カップルは、住宅や保険などで配偶者として扱われないこともあります。これらの問題を解決するために、一部の地方自治体では、同性パートナーシップ条例を制定しています。
同性パートナーシップ条例とは、同性カップルがパートナーであることを宣誓し、自治体から証明書を受け取ることで、自治体内で限定的な権利やサービスを受けられるようにするものです4。例えば、以下のようなことが可能になります。
- 公営住宅や社宅などで同居が認められる。
- 病院や介護施設などで家族として扱われる。
- 自治体の福祉や教育などのサービスを利用できる。
- 自治体職員の場合、配偶者手当や休暇などが適用される。
同性パートナーシップ条例は、日本で初めて2015年4月1日に東京都渋谷区で施行されました5。その後、多くの自治体が追随し、2023年5月15日現在では313市町村と12都府県で同性パートナーシップ条例が制定されています。しかし、これらの条例はあくまで自治体内で有効なものであり、国レベルでの法的保護はまだありません。また、シビル・ユニオンや結婚とは異なり、相続税や年金などに関する権利は得られません。
LGBTの権利を支援するために私たちにできること
LGBTの権利を守るためには、法律や制度だけではなく、社会全体の理解や受容が必要です。私たちは日常生活の中で、LGBTの人々に対してどうすれば優しく接することができるのでしょうか？ここでは、私たちにできることをいくつか紹介します。
LGBTに関する正しい知識や情報を得る
LGBTに関する偏見や差別は、無知や誤解から生じることが多いです。LGBTに関する正しい知識や情報を得ることは、LGBTの人々を理解する第一歩です。インターネットや書籍、映画などで、LGBTに関する正しい知識や情報を得ることができます。例えば、以下のようなサイトや作品があります。
- [Nijiiro Diversity]：LGBTに関する基礎知識やQ&A、ニュースやイベントなどを紹介するサイトです。
- [LGBT法律相談]：LGBTの人々が抱える法律的な問題について、専門家が無料で相談に応じるサイトです。
- [Queer Japan]：日本のLGBTコミュニティの多様性や活動を紹介するドキュメンタリー映画です。
- [彼らが本気で編むときは]：LGBTの人々の恋愛や友情を描いた小説です。映画化もされています。
LGBTに関する正しい知識や情報を得ることで、LGBTの人々の立場や感情に寄り添うことができます。
LGBTに対する差別や偏見に反対する
LGBTに対する差別や偏見は、社会の中で様々な形で表れます。例えば、以下のようなことがあります。
- LGBTの人々が暴力や嫌がらせを受ける。
- LGBTの人々が学校や職場でいじめやハラスメントを受ける。
- LGBTの人々が家族や友人から拒絶される。
- LGBTの人々がメディアやネットで不適切な表現や批判を受ける。
これらの差別や偏見は、LGBTの人々の尊厳や幸福を奪うだけでなく、社会全体の多様性や平和を損ないます。私たちは、LGBTに対する差別や偏見に反対することで、LGBTの人々を支援することができます。例えば、以下のようなことができます。
- LGBTに対する暴力や嫌がらせを目撃した場合、助けを呼んだり警察に通報したりする。
- LGBTに対するいじめやハラスメントを見かけた場合、加害者に注意したり被害者に声をかけたりする。
- LGBTの人々が家族や友人から拒絶された場合、心理的な支えになったり相談先を紹介したりする。
- LGBTに対する不適切な表現や批判をメディアやネットで見つけた場合、抗議したり訂正したりする。
LGBTに対する差別や偏見に反対することで、LGBTの人々の権利を守ることができます。
LGBTに対する理解や受容を広める
LGBTに対する理解や受容は、社会の中で積極的に広めることが必要です。例えば、以下のようなことができます。
- LGBTの人々と交流したり友達になったりする。
- LGBTの人々の声や経験を聞いたり共有したりする。
- LGBTの人々の活動やイベントに参加したり応援したりする。
- LGBTの人々の権利を主張する運動や署名に参加したり協力したりする。
LGBTに対する理解や受容を広めることで、LGBTの人々の存在を認めることができます。
まとめ
LGBTの権利を守るためには、法律や制度だけではなく、社会全体の理解や受容が必要です。私たちは日常生活の中で、LGBTに関する正しい知識や情報を得ること、LGBTに対する差別や偏見に反対すること、LGBTに対する理解や受容を広めることができます。LGBTの人々は、私たちと同じように、自分らしく生きることができるように、法律や制度によって権利を守られる必要があります。私たちは、LGBTの人々の権利を支援することで、より多様で平和な社会を作ることができます。
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